何度でもなんどでも
八・何度でもなんどでも
文化祭3日目。
元・・・。
一体どういう顔をして会えばいいんだろう。
緊張しながら教室のドアを開ける。
「お前、遅いんだよっ」
即はたかれる頭。
「いたぁ~~い!」
「バーカ。お前今日ノルマつきな?」
元・・・。
いつものようにクラスの男子達とはしゃぐ彼の姿は
まるで昨日のことが何もなかったように思えるほど。
「あいつ、実桜に悪いことした、って言ってたよ」
いつの間にか横にいるチエが前を見ながら言う。
「困らせるつもりはなかったのに、って」
「チエ・・・知ってたの?」
「誰でも見てればわかるよ!実桜が鈍すぎんの!」
「・・・・・・」
「あいつなりに必死なんだよ・・・バカやってはしゃいで」
人を好きになるって
幸せで嬉しいことだけじゃないんだ。
苦しさも、
悲しさも、
自分の嫌なところもどんどん見えてきちゃうのに、
なぜ私達は人を好きになることをやめないんだろう。