何度でもなんどでも

「実桜ちゃん。佑くんとはお付き合いしてないって聞いたんだけど」

ヒロのお母さんが、静かに話を始める。



「・・・はい」


「そう・・・。残念だわ。あなたたちとても自然でお似合いだな、って思ったの。

佑くんがあんなに幸せそうな顔してるの初めてだったから」


私は唇を軽くかんだ。


「でも、それが縁っていうものなんでしょうね」


「縁?」


「そうよ。私達が普通にこうやって人と会ったり、しゃべったりしてることって本当はとてつもない偶然のうえになりたってると思わない?

同じ地球に生まれて、同じ時代に生まれて、同じ国に生まれて。。。そうやっても出会う人もいれば出会わない人もいるでしょ?

だから一期一会って、今この場所で出会った人を、その縁を大切にしよう、ってそういう言葉もあるのよ」



私の頭の中に華子と幹太の笑顔が重なったように思えた。


目から涙が一筋流れる。



ヒロのお母さんがそっとハンカチで私の涙をぬぐう。


「実桜ちゃんは、とても素敵な子よ。おばさん大好き。だから自分の本当の気持ち大事にしてあげてね?」





ヒロのお母さん、ありがとうございます。









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