何度でもなんどでも

ひとしきり泣いたあと、



私はカバンをもって玄関へ向かった。



クラスの打ち上げに参加させてもらうために。




と、そこへヒロが走ってやってきた。



「実桜、さっきはごめんな」


頭をかきかき言うヒロに私は笑って見せた。


「いいよ」



「佑と陽太郎に怒られた。ついでにオカンにも」



私のこと考えてくれたんだよね。


ヒロ、大事な友達だ。


「ヒロ、ありがとうね」



ヒロは意外そうな顔をしてから、


「お前、帰るの?パーティーは?」


ううん。


と首を振る私にヒロは、



「じゃぁ、俺からのお願い。一緒に出てよ、俺と」


「え?」


「俺らこれで最後のお祭りなんだ。だからお前にも楽しんでほしいんだよ、友達としてな」


ウィンクしてみせるヒロ。



本当に、ありがとう。




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