何度でもなんどでも
あの時の同じように歓声が起きる。
「佑、大好き!」
「ミオ、愛してるよ」
そうして、佑は私に今度は本当に唇にキスをするんだ。
甘くて甘くて。
幸せすぎて涙が止まらない。
唇が触れた瞬間。
この季節にしてはめずらしい風が巻き起こった。
目を閉じた私のまぶたにはたくさんの花びら。
黒でもなく紫でもなく。
真っ白なサクラの花びらが舞い踊っている。
唇を離すと、佑が笑ってて。
私も嬉しくて笑顔になるんだ。
ヒロたちは、「なんか花びらみたいなのが落ちてきた気がするんだけど・・・」
と不思議そうに空を眺める。
それを見て佑と私はまたキスをする。
何度でもなんどでも・・・
<完>