何度でもなんどでも




あの時の同じように歓声が起きる。



「佑、大好き!」

「ミオ、愛してるよ」



そうして、佑は私に今度は本当に唇にキスをするんだ。



甘くて甘くて。




幸せすぎて涙が止まらない。




唇が触れた瞬間。


この季節にしてはめずらしい風が巻き起こった。



目を閉じた私のまぶたにはたくさんの花びら。



黒でもなく紫でもなく。


真っ白なサクラの花びらが舞い踊っている。



唇を離すと、佑が笑ってて。


私も嬉しくて笑顔になるんだ。




ヒロたちは、「なんか花びらみたいなのが落ちてきた気がするんだけど・・・」


と不思議そうに空を眺める。






それを見て佑と私はまたキスをする。



何度でもなんどでも・・・








<完>


























< 153 / 155 >

この作品をシェア

pagetop