何度でもなんどでも
佑は続ける。


「また、ただ今慣習として存在している文理科間の差別の撤廃について申し上げます」


「理数科の学食、談話室等の占有の禁止。また文理科間の親睦行事の追加などを今年度は生徒会の最大目標として行きたいと思ってます」


シンとなる講堂にただ佑の声だけが響いている。



「以上で生徒会からの報告は終わりです…が!ここからは俺のいち意見として、」


「皆!もうこんなばからしい差別なんてやめようぜ!…皆好きな奴いるよな。理数科だからとか文科だからとかそんなんで人を好きになるんじゃないだろ?そんなんであきらめたりするのっておかしくないか?おかしいだろ?皆もっと自然に自由に恋をしようぜ!」


そうしてマイクを置いた佑に、




元が、


チエが、


文科から


理数科の方からも



初めパラパラだった拍手の音が次第に波を帯びてくる。
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