何度でもなんどでも
私は、マイクを置いて壇上から降りる佑をはっきりと見ることは出来なかった。


涙がとまらない。


私はホコリを持って好きな人だと、私の好きな人だと言える。



片思いでも、こんな気持ちになったのは初めてだった。


鳴りつづける拍手の音が一旦やみ、またざわざわという響に変わった。






それは壇上から姿を消した会長が人込みに紛れてしまったから、らしい。


私も必死に目で探す。


佑……。


佑!



すると目の前の人垣がざっと開いて…



「ミオ!」


「佑…」
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