何度でもなんどでも
少しずつ人が少なくなっていく学食の中で私は時間が経つのも忘れ、そのことばかりを考えていた。



ふいにポンと肩をたたかれ、思わず「ひゃっ!」と変な声を出してしまった。



「何だよ、お前」


振り向くと大好きな佑がかばんを肩から斜めに下げて立っている。



「終わったの?」


「うん。帰ろ」


「うん!」


ほら、といって当たり前に出してくれる右手が大好き。



私は佑の大きな手の平を握って歩くこの瞬間が大好き!
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