何度でもなんどでも

そのまま、私達は何も言わないまま、ベンチに座ってあがり続ける花火を眺めていた。

こんな名所なのに、

やってくる人はいない。


私は、



花火をみつめたまま、



佑に言ったんだ。




「佑、大好き……」




佑も上を見つめたまま、



「俺も、ミオが大好き」




って答えてくれた。




それはとても自然な言葉のやり取りで。



私達はいったんやんだ花火の合間に



お互いの顔を見つめあった。





私の頬が佑の大きな手に優しく包まれて



近づいてくる佑の顔。



私は「キス、される」と自然に感じて


目をゆっくりと閉じた。




けど……








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