何度でもなんどでも

「そうだ!中等部卒業生で同窓会やらないか、って話が出てるんだけど」

と、奈子ちゃんが、嬉しそうに詳細を話し始めた。

加奈子もうんうん、と相槌を打ち始める。


「実桜、しばらく一緒にお店行って来ようか」

と陽太郎が行ってくれたのには正直ほっとした。

私は、

「うん」


と言って、その場を離れた。



離れたかった。




相変わらず、チエやヒロ達には会うことが出来ず、

「あいつら、何してんだよ」

と陽太郎は、まるで迷子の生徒を探す先生のように

きょろきょろしている。


「陽太郎、って先生とか向いてそう」


というと、


「そう?やっぱりそう思う?」

と嬉しそうに彼は返してきた。




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