何度でもなんどでも

「別れよう」という言葉が

部屋の中に虚しく響く。


「なんでっ…俺はお前が好きだよ」


そう言って私の肩をつかむけど、


佑の苦しそうな顔。


彼も私の言いたいこと分かってる。


きっとずっとそのことで苦しんできたとわかるから……。




「無理だよ。私達……」



「ミオ……好きなのに、なんでっ」


唸るように搾り出した彼の声が私の胸を引き裂いていく。



顔を覆って泣く私に、もう佑の優しい手はふってこない。




そうして、私達は、



初めてのキスの後、




さよならをしたんだ。




好きだから。



好きになってしまってたから。
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