君しか見えない

たまに、凜花達と出掛けたり、テスト勉強したり。


意外と頭のいい卓と陵弥のお陰で、私と凜花はテストを無事乗りきった。




後は夏休みを待つばかり…



相変わらず、私達は友達…


周りは付き合ってるって思ってるみたいだけど……



まだ、付き合おうって言わない卓。



私はもう、卓が好きになってるんだけどな……




「…卓君?…って2年の?」


「そうだよ…」



たまたま通り掛かった空き教室の中から、聞こえた名前に足を止めた。




「ずっと好きだったんだ…」



…卓がす…き…?



少し開いた扉から中を覗いた。



中には3年の女の子2人…


「だって彼女いるんじゃないの…毎日一緒に帰ってるし」



切ない顔をした先輩が。


「だって、好きなものは仕方ないじゃない…私の方が先に好きになったのに、いつの間にかあの娘が隣にいたんだよ…ズルイじゃん」



…ずっと前から…?



私より先にって……


人を好きになるのに、順番なんかあるの…?


後から好きになった私はズルイの…?…




< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop