君しか見えない
たまに、凜花達と出掛けたり、テスト勉強したり。
意外と頭のいい卓と陵弥のお陰で、私と凜花はテストを無事乗りきった。
後は夏休みを待つばかり…
相変わらず、私達は友達…
周りは付き合ってるって思ってるみたいだけど……
まだ、付き合おうって言わない卓。
私はもう、卓が好きになってるんだけどな……
「…卓君?…って2年の?」
「そうだよ…」
たまたま通り掛かった空き教室の中から、聞こえた名前に足を止めた。
「ずっと好きだったんだ…」
…卓がす…き…?
少し開いた扉から中を覗いた。
中には3年の女の子2人…
「だって彼女いるんじゃないの…毎日一緒に帰ってるし」
切ない顔をした先輩が。
「だって、好きなものは仕方ないじゃない…私の方が先に好きになったのに、いつの間にかあの娘が隣にいたんだよ…ズルイじゃん」
…ずっと前から…?
私より先にって……
人を好きになるのに、順番なんかあるの…?
後から好きになった私はズルイの…?…