君しか見えない
報われない気持ち……
あの、先輩の言葉が頭に残った。
後から好きになった私はズルイ……?
私が好きにならなければ、卓の気持ちを独占出来たとでも言うの…?…
「私は諦め切れないの、やっぱり気持ちは伝えなきゃ」
「えー告白する気?」
「そのつもりだけど…」
……卓に告白…?…
その言葉にズキッと胸が痛んだ。
卓は告白されたらどうするの…?…
私とは…友達……
何も言う権利なんかない。
卓は何を思うのだろう…
「…り…さおり…?」
教室の机に突っ伏していた私の頭の上から聞こえた声…
はっとして顔を上げた。
「どうした?具合でも悪い?」
そう卓が、私の顔を覗き込む。
「な、何でもないよ…」
出来るだけ普通に言ったつもりだった…んだけど…
意気なり私の腕を掴むと、私をグイグイ引いて歩き出す。
「ど、どこ行くの…?」
そう言う私に
「いいからッ!!」
普段の穏やかな卓から、想像出来ない強い口調だった。
階段を上がり、連れて来られた屋上。