君しか見えない
「ずっと前から好きだったんだけど…その…付き合ってもらえない?」
私に告ってきたのは、同級生で女子に人気の、立谷 卓。
ちょっとグレーな噂の持ち主の、川上 陵弥の親友。
目立つ男といつも一緒にいる彼もかなりのイケメン。
同じ高校生と恋愛したら、きっと楽しいんだろうな…
会いたい時には会えるし、手だって繋いだり。
何より堂々と歩けるじゃない……
ふと浮かんだ台詞……
"沙織だけだよ"
…マサシ……
「…ごめんなさい…私…好きな人がいるから…」
私は報われない恋愛を選んでしまう…
「…そっか…」
残念そうに、そう言うと立ち去って行く彼の後ろ姿に目を細めた。
「はあぁー」
私…馬鹿だよね…
あんなイケメン振って。
もし彼の手を取ってたら、報われない恋愛にピリオドが打てたかも知れないのに…
誰にも言えない恋愛なんか辛いだけ…
恋の悩みも誰にも相談なんか出来ないもの…
両思いも、片思いも恋愛は難しい……
自分で選んだ恋なのに……
報われない気持ちは……
やっぱり…切ないかな…