君しか見えない


「ずっと前から好きだったんだけど…その…付き合ってもらえない?」



私に告ってきたのは、同級生で女子に人気の、立谷 卓。




ちょっとグレーな噂の持ち主の、川上 陵弥の親友。



目立つ男といつも一緒にいる彼もかなりのイケメン。



同じ高校生と恋愛したら、きっと楽しいんだろうな…


会いたい時には会えるし、手だって繋いだり。


何より堂々と歩けるじゃない……




ふと浮かんだ台詞……


"沙織だけだよ"




…マサシ……






「…ごめんなさい…私…好きな人がいるから…」




私は報われない恋愛を選んでしまう…



「…そっか…」



残念そうに、そう言うと立ち去って行く彼の後ろ姿に目を細めた。




「はあぁー」




私…馬鹿だよね…

あんなイケメン振って。
もし彼の手を取ってたら、報われない恋愛にピリオドが打てたかも知れないのに…



誰にも言えない恋愛なんか辛いだけ…



恋の悩みも誰にも相談なんか出来ないもの…



両思いも、片思いも恋愛は難しい……



自分で選んだ恋なのに……


報われない気持ちは……



やっぱり…切ないかな…



< 2 / 23 >

この作品をシェア

pagetop