君しか見えない
翌日、凜花が。
「ねぇ沙織…卓君とは?」
何で、昨日の今日で聞くかなぁ……
「…ん…」
誤魔化し様にも目が泳いじゃった…
すると凜花は、あれーって顔して。
「沙織ぃー薄情しな!」
って自分の腕を私に絡めて屋上まで連れ出された。
全く…普段鈍い凜花が、こうゆー時は敏感……
私は躊躇気味に…
「…しちゃった…」
「えっ?」
「…キスしちゃった…」
そう言ったら、凜花が凄く驚くから恥ずかしくなった。
凜花なんか当たり前にしてる癖に…自分でも顔が熱るのがわかる。
「じゃ卓君と…付き合うの?」
と、言う凜花にコクンと頷いた。
優しく微笑む凜花に、素直に嬉しいって気持ちが込み上げて。
私も笑顔になった。
報われない恋愛してた時とは全てが違って見える。
もう、凜花にノロケられても逆にノロケ返してやるから……