君しか見えない
恋愛は難しい…
だけど素敵な事……
少なくとも私にはそう思えた。
そう思わせたのは卓だけど……
恋愛の形は人それぞれだけど、私は今の恋愛を大切にしたい。
「沙織…帰るよ」
「はーい」
女の子のため息を他所に、私は笑顔で卓の元へ。
手を繋いで、歩く帰り道の反対側に見覚えある顔。
…マサシ…?…
奥さんと子供と幸せ家族そのものって感じで歩いてた。
「沙織…どうした?」
卓が私の顔を覗き込む。
「あー何でもないよ行こ」
私は笑顔で卓の腕に自分の腕を絡めた。
それを優しい目で見下ろして、触れるだけのキス。
たったそれだけの事なのに嬉しくって。
あんなに好きだった、マサシを見ても全然平気だった……
卓が傍にいるから……
私の心の中は卓でいっぱいになってる……
恋するってこうなんだ…
卓しか見えないし、卓しか考えられないや……