君しか見えない
どうせ、直ぐに消去される文字。
普通の女子高生みたいな可愛らしい絵文字なんかいらない……
報われないってわかってて、それでも私が選んだ恋愛。
恋愛って言えるのかな……
学校近くの人気のない路地裏に、彼の白い車が止まっていた。
「お待たせ…」
私はその車に乗り込む。
直ぐに頭を押さえられ、キスをされる。
……ん……っ…
唇を離したマサシが。
「いつものラブホでいい?」
いつものお決まりの台詞。
何の期待もしちゃいけない関係の私にはただ、黙って頷くだけ……
…ん…あっ……んん…
ラブホって言ったらやる事は一つ。
限られた時間の中で身体を重ねる。
私には何も考えないで済む時間…
この時だけは、マサシは私だけになるから…
「沙織だけだよ」
マサシが最後に囁く言葉…