君しか見えない
この時だけはマサシを私が独占出来るから…
…独り占め……
クリマスもバレンタインもイベント事は一緒に過ごせない……
休みの日のデートなんてした事がない。
それでも私は好きだから…
この限られた時間の中のマサシに夢中……
私がシャワーを浴びてる間、彼は電話をかける。
…多分…奥さん…
『…ああ…もう少ししたら帰るよ………大丈夫か…』
聞きたくなくても聞こえちゃう声……
『帰るよ』
普通の恋人同士が言う意味と違って聞こえる…
奥さんのところに帰るよ…
…そう聞こえる……
ラブホを出ると家の近くのコンビニで車を降りる。
「じゃーね」
笑顔でそう言うとマサシが。
「また、連絡する」
そう言って車は発進する。
そのテールランプを見送る…私には一番切ない時間。
「また…連絡する…か…」
当てにならない約束…
次はいつ…?……
先の見えない関係……