君しか見えない

この時だけはマサシを私が独占出来るから…




…独り占め……





クリマスもバレンタインもイベント事は一緒に過ごせない……

休みの日のデートなんてした事がない。



それでも私は好きだから…



この限られた時間の中のマサシに夢中……





私がシャワーを浴びてる間、彼は電話をかける。



…多分…奥さん…




『…ああ…もう少ししたら帰るよ………大丈夫か…』


聞きたくなくても聞こえちゃう声……




  『帰るよ』





普通の恋人同士が言う意味と違って聞こえる…




奥さんのところに帰るよ…


…そう聞こえる……





ラブホを出ると家の近くのコンビニで車を降りる。


「じゃーね」


笑顔でそう言うとマサシが。




「また、連絡する」



そう言って車は発進する。

そのテールランプを見送る…私には一番切ない時間。



「また…連絡する…か…」


当てにならない約束…




次はいつ…?……



先の見えない関係……



< 6 / 23 >

この作品をシェア

pagetop