君しか見えない
…やっぱり……わかっていた事だけど…
…苦しいよ……
誰にも言えない思いを、どこにぶつけたらいいのかわからない……
1人で泣いて、1人で抱える事しか出来ない思い。
休みの間中、ずっと泣いた。
学校に行かなくて済むのが唯一の救い……
こんな私、誰にも見せられない。
ならない携帯…
……なる訳がない…
…休日は家族サービス…
…家族……
…私、何やってんだろ……
初めっからわかってたんじゃない…?…
マサシには私だけなんかじゃないって事。
私は初めて、自分からマサシに連絡した。
いつもの待ち合わせ場所。
マサシの白い車に乗り込む。
いつもの様に、私に触れるマサシの手を払い。
「…マサシ…終わりにしよう…」
「…沙織…?」
「二度と会わないから」
そう言って車から降りた。
ドアを閉め、振り返らずにその場を後にした。