シャンゼリゼで待ち合わせ
ところで、やっぱり…気になる。
「ねえ、紗江子、ほんとにいいの?」
「なにがー?」
紗江子は、ケーキに囲まれて、やけにご機嫌だ。
「なにがって…。だって、今までやってたバイトはどうしたの?」
紗江子はずっと、ファストフード店でバイトをしていた。
「ああ、あそこね。さっき怜奈が5コマ目の講義受けてるときに行って、辞めてきちゃった」
「や、辞めてきちゃったって…」
「いいの、あそこはバイト多いし高校生ばっかりだから、そろそろ潮時かなって思ってたんだ」
紗江子は、私が教えたことをメモ帳に書きながら、軽い感じで言った。