シャンゼリゼで待ち合わせ
「帰国して、年明けの試験が終わったらよ、うちの店に戻ってきていいからな」
…え?
「だって、紗江子がかわりに…」
「夜に入ってくれてたパートさんがよ、年内で辞めちまうからよ。
また募集するのもめんどくせぇし、おまえでいいや」
「えー!やったー!!」
私よりも先に、紗江子が大喜びしていた。
紗江子も知らなかったんだ。
帰国したらバイト探ししなくちゃ、と思ってたけど、まさか紗江子と一緒に、あそこで働けるなんて!
「わぁい!店長ーありがとうーーー!!」
いつまでも私のことを名前で呼んでくれない店長。
でも、帰国後のことまで考えてくれていたことが、本当にうれしくて、紗江子と二人で店長に抱きついた。
店長は、うわっやめろ、とか言ってるけど、そんなの気にしてられない。
ありがとう、店長!