シャンゼリゼで待ち合わせ
それから数時間、うだうだしているうちに、あっという間に朝日が昇った。
私は大学に行って、悩んでいることを友人の紗江子に打ち明けた。
「フランス!?」
「そう、フランス」
「行くの?」
「まだ正式には決めてないの。かなり迷っててさぁ」
「1週間くらい?」
私の突然の話に、紗江子はとても驚いていた。
「年明けの試験までには帰ってくるつもりだから、1ヶ月ちょっとくらいかな…」
「長いね!」
「だってどうせ行くなら、この機会にいろいろ見ておきたいもん。
親も、祐太と一緒ならいいって言ってくれたし」
「でもそんな急な話、バイトはどうするのよ。
怜奈のバイト先の店長、めちゃこわいじゃん」
「そう!そこなんだよねー」
紗江子はよく店に来てくれるから、店長のことも知っている。
やっぱり心配するのは、そこだよねー…。
私が頭を抱えて困っていると、紗江子は、なにかいい方法考えなくちゃ、と言ってくれた。