シャンゼリゼで待ち合わせ
「じゃあ、私そろそろ行くね」
私がそう言ったとき、紗江子が、あることに気づいた。
「あれ、おばさんたち、なんでキャリー持ってるの?」
「あら紗江ちゃん、めざといわねー。うふふ、おばさんたち、これからグアムに行くの」
「えーいいなー!私も行きたーい!」
「おまえはバイトがあるだろ!」
と、すかさず店長の声。
「スイマセン…」
…なんだか盛り上がってきたので、私はもう一度「じゃあ」と言って、歩き始めた。
「怜奈、行ってらっしゃい!」
大好きなみんなに見送られて、私は出発ゲートに向かった。