シャンゼリゼで待ち合わせ




電話があったのは、搭乗間際。



時差を考えると、フランスは真夜中のはずだった。



それなのに仕事のトラブル処理をしているということは、よっぽどのことがあったんだろうと思う。



しかも、私が到着するまでには、まだ半日以上もあるのに、空港には来れそうもないって言ってた。



きっと、とんでもない事態なんだ。



はぁー、仕方ないか…。



機内では、ゆったりと映画を観たり眠って過ごす予定だったのに…。



離陸して2時間経った今、私はガイドブックの殴り書きメモとパリの地図を見比べて、予習に余念がない。



まあ、どっちみち、思ったよりもはるかに座席が狭くて窮屈だし、ゆったりしている余裕なんてなかったかもね、と自分に言い聞かせた。








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