シャンゼリゼで待ち合わせ
6th avenue




視線の先の看板の下、歩道を激しく行き交う人々の隙間から、一瞬だけど、たしかに見えた。



スーツケースから腰を浮かせて、その人影が向かったほうへ目線を走らせる。



……!



また見えた!



やっぱり間違いない。







祐太だ!!







祐太が、あの店から出てきた。



何か大きな包みを持って。



あわてて手を振ってみたけど、まだ道路の向こう側の彼が気づくはずもない。



私は、ソワソワしながら、祐太の姿を見失わないように、目で追い続けた。





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