シャンゼリゼで待ち合わせ
今の瞬間に見失ってしまったらどうしようと思ったけど、そんな心配は無用だった。
祐太はまだ同じ場所にいて、私と同じように、イルミネーションに見とれていた。
その姿が、なんだか無性に愛おしくてたまらない。
私は、息を大きく吸い込んで、
「祐太!」
と、今度こそ大きな声で名前を呼んで、手を振った。
その声にハッとして、祐太が周りを見回す。
私は、もう一度ブンブンと手を振った。
そして祐太は、私を見つけると、笑顔になった。
だから私も、満面の笑顔を返した。