シャンゼリゼで待ち合わせ
紗江子は、なにかいい方法を考えてみるって言ってくれた。
でも、そう簡単にあの店長が辞めさせてくれるとは思えないんだよね。
それに、うまいこと私のかわりに新人のバイトが入ったとしても、入った途端にクリスマス商戦を乗り切るのは難しいだろうし。
あーあ、気が重い。
今からバイトだけど、行きたくないな…。
店長に、どうやって切り出そう。
上の空のまま受けていた講義が終わって大学を出ると、冷たい風が顔に吹き付けた。
バッグに詰めた教科書がずっしり重くて、まるで私の心の重さみたいだった。