まさかまさかのメイド様!?


拓海を起こすのは
メイドの時からの日課。



「…拓海様?朝ですよ」


耳元で囁く。

久しぶりに“拓海様”なんて言ったし



「きゃっ!」

頭をいきなり抱き締められた。



「おはよう、ママ」

そういってあたしのおでこに
そっとキスをする。




拓海と付き合ってかれこれ
10年近くは経とうとしているのに

…未だ慣れません。




「パパ、ママえっちぃー」



幼稚園の支度が出来た奈海は
ドアからじーっと覗き見をしていた。




あたしと拓海は

ぱっと離れ、


「さーて、奈海!
もうすぐでお迎え来ちゃうよー?」


「あーいっ♪」



あたしは奈海の背中を押して部屋を出た。




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