私と結婚しなきゃ呪っちゃいます。
一話 ストーカー女とそれに悩む少年



夏木 結衣の朝起きての日課は……………。



『おいっ!!結衣、てめぇ。また俺の部屋に隠しカメラしかけやがったなぁぁぁぁ!!警察突き出すぞぉぉ!!!』



「今日も素敵だわ、よっちゃん」



うっとりしながら見つめる結衣の目線の先にはビデオ越しに怒鳴る少年の姿。



そう、結衣の日課とは自称MYダーリン、鍵本 義人通称よっちゃんの日常を覗くこと。



もちろんカメラだからこっちの声は義人には聞こえないけども。



プルルル………



結衣の携帯の着信音。なんてシンプルなのであろう。



「よっちゃんからだぁ!はぁい!もしも『殺すぞ』」



かなりご立腹な様子の義人。



「キャッ!よっちゃんに殺されるなら本望だわっ!さぁ殺しなさいっ!そして二人は誰にも邪魔されることない桃源郷に行くのよっ!きゃぁぁぁ!」



人がご立腹なのにものともしない女だと義人は思う。



『一人で桃源郷に行け、変態が』



「もうつれないっ!ダーリンった『プッ……プー…プー…』」



長くなりそうなので切る義人。



懸命な判断だろう。



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