続High☆オタクダーリン~欲しいのはキミのだけ~


すると、振り向きはしなかったが、奏都はもう一度手を振った。

きっと今、いつもみたいなフッと口端を上げた笑いをしているだろう。





すると今まで百面相だった柚葉がパアッと明るく笑い、手を振る。




「本当に有難うございました!!」






そんな手を振る柚葉を見て俺はフッと笑った。



「…じゃあ、帰るぞ柚葉」


「えっ?
良いの?だって…」



そう言ってチラッと周りに呆けて立っている不良と女子達を見る柚葉。



俺はどうでも良いというように、柚葉の手を引っ張り歩き始めた。





「帰るぞ」

「えっ?…はい!」


ニコッと笑った柚葉は俺に続いて歩き出す。








…これで一件落着。





「……え?

な、何で秋お兄ちゃんが…」





…な訳なく、一難去ってまた一難。


問題はまだまだ山積み。






< 104 / 133 >

この作品をシェア

pagetop