続High☆オタクダーリン~欲しいのはキミのだけ~


…はぁー。



俺は大きくため息をつきながら、自ら閉めたドアの向こうを見つめた。








…やれやれ。
最後の最後まで恋愛対象外とは。




参っちゃうよ本当に。




涙は別に出なかった。


…どうせ、知っていたことだったから。





別にさ…嫌われた訳でもなく。一生"本当のお兄ちゃん"みたいにしてれば良いのだから。







俺はそっとさっき貰ったチョコの入った袋を見た。



寮に行ってからとは言われたけど…






俺は結局開けることにした。



開けると中には…小さなチョコが沢山と、小さな紙切れ。





紙切れにはこう書いてあった。





『お兄ちゃんへ


大学…休みじゃなくてサボったんでしょ?


くじけちゃ駄目だよ。…私はずっとお兄ちゃんの味方だから。



貴方の永遠の妹、柚葉』







「ハハッ……何でもお見通しか…」



始めてその時、涙が流れた。


しょっぱくない甘酸っぱい涙だった…。







< 121 / 133 >

この作品をシェア

pagetop