続High☆オタクダーリン~欲しいのはキミのだけ~
…はぁー。
俺は大きくため息をつきながら、自ら閉めたドアの向こうを見つめた。
…やれやれ。
最後の最後まで恋愛対象外とは。
参っちゃうよ本当に。
涙は別に出なかった。
…どうせ、知っていたことだったから。
別にさ…嫌われた訳でもなく。一生"本当のお兄ちゃん"みたいにしてれば良いのだから。
俺はそっとさっき貰ったチョコの入った袋を見た。
寮に行ってからとは言われたけど…
俺は結局開けることにした。
開けると中には…小さなチョコが沢山と、小さな紙切れ。
紙切れにはこう書いてあった。
『お兄ちゃんへ
大学…休みじゃなくてサボったんでしょ?
くじけちゃ駄目だよ。…私はずっとお兄ちゃんの味方だから。
貴方の永遠の妹、柚葉』
「ハハッ……何でもお見通しか…」
始めてその時、涙が流れた。
しょっぱくない甘酸っぱい涙だった…。