Linger Past
プロローグ
「…っと前から好きでした。だっだから、付き合って下さい」
屋上の扉に手を掛けたとき、突然耳にした勇ましく大きな声。
「ごめんなさい。お気持ちは嬉しいですけれど、きっともう誰も愛せないんです」
しかし、返ってきたのは小さくか細い声だった。
「そっそんなの付き合ってみなければ、わからないじゃないですか」
すると、さっきの勇ましい声とは一変。
焦っていて、何とも弱々しい声が聞こえた。
「…なさい。ごめんなさい」