大人の恋がしてみたい
「遥、どう、少しは落ち着いた?」
「はい。ごめんなさい」
「いいのよ。そんな謝らなくても。」
そう言って、優しく笑いかけてくれる。
あったかい、この人の雰囲気が
あたしは大好きだ。
「おい、ジュース買ってきたぞう」
唐沢さんが、ジュースを両手に持ちながら、走ってきて
あたしに
「はい。」と渡してくれた。
「あ、ありがとうございます。」
「いいえ。俺、ちょっとそこら辺、ブラブラしてくるな」
「遥ちゃん、ゆっくりしてていいよ。」
「あ、はい。ありがとうございます」
「いいえ」そう言って、優しく笑うと、
海沿いの道を歩いてどこかに行ってしまった。