大人の恋がしてみたい
「若いと、自分の欲望押さえきれない男達が多いのよ。

その子の事が、好きなら、なおさら、付き合って、すぐに、したいと思うのは、ごく普通なの。」


「はい。」

「けど、男も二通りいてね、欲望を理性で抑える事ができる人もいるの」


「はい。」

「店長は、理性の方よ。店長、結構いろんな事に気を使ったり、細かくこだわってたりするでしょう?」

「はっ、はい」

「店長みたいなタイプは、頭でいろんな事考えるタイプで、自分の本心もなかなか見せないと思うよ」

「えっ」


「多分、遥が思っているよりも、店長は遥の事、大切に想いすぎているから

だから、簡単に、抱けないだけだよ」


「はい…」


「遥、」

「はい?」


真央ちゃんは、あたしの耳元で


「ディープは、まだじゃない?」

「えっ?ディープとは、あっ…はい、まだです」


「ヤッパリ。」

「どうしてですか?」

「ディープは、普通のkissとは違うから…遥、kiss、初めてだったの?」


「はい。」

「店長、知ってるの?」

「はい。」

「なら、余計に簡単にできないって思ってるよ、きっと。」

「えっ…」

そして、また耳元で

「いい?遥、Hをするって事は、痛みを感じる事でもあるんだよ。聞くだけの世界とは、違う世界があるの。だから、店長は、怖くてできなかったんじゃないの。遥をさ、壊してしまいそうで、ただ、怖くてできなかっただけだと、思うよ。」

「真央ちゃん…」

「それだけ、思われているんだから、自信、持ちなさいよ。分かった?」


「はい!」

「よし!じゃぁ、わたし行くね。翔太、待ってるから」

「はい。」

「自信持て!遥!」

そう言って、真央ちゃんは、心配そうに様子を見に来た、翔太さんの元に駆け寄り

振り返って、あたしに大きくバイバイした。


素敵な人だ。


あんな、お姉さん。
欲しかったな。




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