大人の恋がしてみたい
「遥さん…って、いったね…」


「はい。」

「顔を上げなさい。」

「はい。」
静かに顔をあげた…。


啓太のお父さんの真っ直ぐな目が

あたしの心を覗こうとしていた。


あたしという人間を確かめるような目で…



「本気なんですか?」

「はい。」


「うちは、この通り、一つの大きな会社を経営してますが、もしかしたら、この会社は、明日には、倒産してしまうかもしれない。


極端な話ですが、その覚悟で仕事と正面に向き合って、働かないといけない

とても、ツライ仕事なんです。」

「はい。」

「しかも、啓太は、社長という、大きな責任を抱えている。

啓太次第で、倒産する可能性もある。

こんな啓太と結婚することは、あなたにとって、もしかしたら、ツライ事になるのかもしれないのですよ…それでも


あなたは、啓太と、結婚すると、言えるのですか?」



「はい。」



「本気で、そう…」

「本気です。じゃないと、こちらには、怖くて来られません。」




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