イケメンキス魔にご用心!?

「鈴?」



あたしの名前を呼ぶ

その声に…


全身が凍りついたように
動かなくなった。


あたしの心臓が

ドクン…と脈を打つ。



おそるおそる振り返った
その先には…


「しょ…う、ご?」



忘れるはずもない。


あの時あたしを
バカにしたその声。

ワックスで遊ばせてある
サラサラな髪の毛。

スッと通った鼻筋。

切れ長で茶色い瞳。


一見普通にかっこいい
先生にだって
気に入られそうな
優しい生徒。



だけどそのきれいな
瞳の奥にはきっと

あの頃と変わらない

ひどい本性が
隠れているんだ。



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