イケメンキス魔にご用心!?
上を見上げる
梢吾の横顔に
一粒の雫がこぼれた
気がした。
「ホント…
何言ってんだろ。
じゃあな、鈴。
最後まで迷惑かけたな。
もう話しかけたり
しねえから安心して」
無理して笑った
梢吾の目は赤色だった。
必死で涙を
こらえてるような
そんな赤色をしていた。
また歩き出す梢吾。
これでよかった…
これでよかった
はずなのに…
下を向くあたしの肩に
ポンと優しく
手が置かれた。
「鈴…
ホントにこれでいい?」
楽斗の優しい瞳と
出会ったあたしは
自然と叫んで
しまっていた。