イケメンキス魔にご用心!?
そして奥歯をキュッと
かみしめると
笑顔で振り返った。
「だけどもう嫌いなの。
あたしこれ以上
心配したら
おかしくなっちゃいそう
だから…ばいばい」
途中何度も
泣きそうになった。
でもそのたび
拳をつくって
我慢した。
そして言い終えると
背中を向けて
またすぐ走り出した。
「あ!鈴!!
待ってくれよ!」
楽斗の涙混じりの
声が聞こえたけど
振り返らなかった。
あーあ…
短い恋だったなあ。
「鈴…頼むから…
オレの前から
いなくならないで
くれよお…」
走り去った後のあたしは
泣きながら失望する
楽斗の様子など
まったく知らなかった。