イケメンキス魔にご用心!?
……………
今、
振り返らなかったことに
しよう。
あたしが再び向き直ると
「え!?ムシッ!?」
ッ~もう!
何なのよ!!
「なあなあ、
オレの名前、
もう覚えた?」
…いやでも覚えるでしょ
空河楽斗め…!!
「オレさ、ちょっと
考えたんだけど、
ここ鈴の家だよな?」
いきなり下の名前!?
しかも呼び捨て!?
鳥肌がたった。
「鈴がこんな豪邸に
住んでること…
みんな知ってんの?」
「…どーゆう意味?」
空河楽斗はふっと
笑って言った。
「オレがもしみんなに
鈴は金持ちだって
言いふらしたら…
どーする?」
いたずらっ子の
がきんちょのように
笑うこいつ。
何企んでんの…
何が目的なの…
「…どうして
ほしいわけ?」
「昨日も言ったでしょ。
オレと付き合って」
「昨日も言ったでしょ。
ム・リ!!」
「え?
オレぶたれたけど
ムリッて言われた
覚えはないな」
「…うざ」
「あれ?
鈴は鈴ん家のこと
黙ってて
ほしいんでしょ?
なら、どーするの?」
やつの瞳は
真剣そのもの。
視線がまっすぐすぎて
逆にいたい…。