イケメンキス魔にご用心!?

「さあ!
さっさと決めちまおうぜ
後はチームか」
「う、うん」


空河楽斗が
なんか話してるけど
まったく耳に
入ってこない。


あたしの頭は
10年前のあの日で
いっぱいだった。



「なあ、鈴…?」


ゴロゴロゴロ…

ピッシャーン!!


空河楽斗の呼びかけは
雷の音によって
かき消された。


「きゃあッ!」
「うわあ、びびった。
おい、だいじょ…」


あたしの体は
勝手に震えていた。

別に寒いんじゃない。

わりと湿気が多くて
ムシムシする
普通の雨の日の天気だ。



でも、あたしにとっては
ただの雨や雷じゃ
なかった。


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