イケメンキス魔にご用心!?
あたしの幸せが
崩れ始めたのは
その日の夜だった。
「お父さんいつ
帰ってくるー?」
「そうねえ…
もうすぐかな?」
ガチャッ
「あ!
帰ってきたー」
笑顔でお父さんを
迎えるあたしとお母さん
でもあたしたちの
表情とは裏腹に
お父さんの表情は
曇っていた。
「お父さーん?」
「あなた…?」
お父さんは
下を向いたまま
話し出す…。
「会社が…
オレの、会社、が…
倒産したんだ」
まだ小さいあたしには
お父さんの言葉の意味が
わからなかった。
しかし両親のただならぬ
雰囲気を感じとった
あたしは、黙って
2人を見つめていた。
あたしのお父さんは
小さな会社を
経営していた。
お金持ちッて
ほどじゃないけど
生活はそれなりに
安定していた。
でも会社が
倒産してからは
安定していた生活も
少しずつ壊れていった。