イケメンキス魔にご用心!?

泣きそうになった。

その日は空も泣いていて
あたしの気持ちは
その日の空のように
どんどん曇っていった。


「ちょっとあなた、
冗談でしょ!?」
「ああ??
何だよ、今更。
みかちゃんは
この前も家に
連れてきたこと
あるだろ?」
「そうじゃないわよ!
確かに女ばっかと遊んで
鈴のこと
ほったらかしなのも
イラつくけど!

あなたそれでも
父親でしょ!?
子供の誕生日くらい
覚えてると思ったわ」
「はあ?誕生日?

ああ、そういやあ
鈴が生まれたのも
こんくらいの季節
だったかもな」



パシンッ



お父さんがヘラヘラ
笑った瞬間

お母さんが手をあげた。


「あなた最低よ!!
鈴の気持ちも
考えなさいよ!」
「てめえ…
オレに説教とは
いい度胸してんな!」
「やめてッ!」

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