【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
家を出ると太陽の光が少し眩しく
空は、青くきれいだった。


自転車で高校に向かい風が吹くたびに

桜の花びらが揺れ落ちて、

暖かい風が、気持ちよくて心地よかった。


しばらくすると学校が見えてきた。


一旦、自転車をとめ気持ちを落ちつかせるために

深く深呼吸をしてから校門をくぐった。

「大丈夫、きっと大丈夫」


校舎に入ると、試験の時とは違い人が、たくさんいた。


「これじゃあ、誰が誰だかわからない、

もしかしたら…」


あまりの人の多さで怖くなり、顔を上げることができなかった。


「誰にも会いたくない、見られたくない…」


入学式の会場の体育館に入り、おそるおそる顔を上げて、
ゆっくり、周りを見わたした。


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