【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
体の力がぬけ、
左右に揺れながら廊下を歩き、
まっすぐ歩くことができずにいた。


左手首を見るのと包帯が巻かれていた。

左手首を見るたびに胸が苦しくなり、
涙がこぼれた。


職員室についても涙が止まらず、

なかなかドアを開けることができなかった。


そして、涙をふきドアをノックした。


「失礼します…」


何を言われるのか、怖くて、先生を顔を見ることができなかった。


先生は、私の顔を見るなり、何も言わずひっぱたいてきた。

ほんの少し顔をあげると怒りと苦しさで
いっぱいで、目に涙をうかべながらも、
まっすぐ、私を見ていた。


でも、私は、その目見ることができず、
すぐに目をそらした。


「佐々木、ここに座れ」


「いいです、このままで…」


久遠先生は、
椅子に座り、少し間沈黙が続いた。


そして、沈黙をやぶるように先生は、聞いてきた。
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