【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
仕事が終わると急いで家に帰っては、

いつも、テレビにくぎづけだった。


テレビを見るたび、憧れから夢へと、
どんどん変わっていった。


入社をして3ヶ月たった頃、
勤務時間が不規則のため、病院の寮に入ることになった。


寮は、和室の六畳でトイレとお風呂は、共同で、けしてきれいとは、言えなかった。


それでも、初めての一人暮らしにどこか嬉しかった。


でも、寮での生活は、意外にもさみしいものだった。


朝起きて仕事に行き仕事が終わると寮にもどる日々。


ただ、家から通うより近くなっただけで

友達のいない私には、何も変わらなかった。


そんな私の楽しみといったら、やっぱりテレビだった。


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