【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
その言葉を聞いて、私は、まいあがり席をたった。


「ちょっと、ごめんなさい。すぐに戻ってきます」


「わかった、待ってるね!」


急いでトイレに向かい誰もいないかを確認してから、
鏡に向かって、ガッツポーズをした。


「やったー!!
美緒ちゃん、可愛いいね!だって」


「こんなの夢みたい、でも、夢じゃないんだよね?
現実なんだよね!!」

涙が出るほど、嬉しかった。


人からそんなことを言われたのは、生まれて初めてだった。

“キレイ”

“かわいい”

ただ、その言葉を聞くだけで、幸せだった。


毎日、毎日言われる言葉一つ一つが、私にとっては、新鮮なものだった。
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