【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
それから少しずつ
指名もとれるようになり、店での評判も上々で仕事は、順調だった。


仕事をすることで、顔へのコンプレックスが、自信へと変わっていった。


いつものように仕事をしていると、
店にはめずらしく、7人の団体のお客さんが入ってきた。


接待客なのかわからず、でも、どう見ても普通のサラリーマンには、見えなかった。


そして、その席についた女の子同士が、騒ぎながら話をしていた。


「ねぇ、あそこの団体の人達って、芸能関係の仕事してるんだってよ!」


「知ってる!
私もさっきついたけど、芸能界かぁ、一度は、憧れる世界だよね」


“芸能界”小さい頃から憧れ夢見た世界。


自分にほんの少し自信をもてるようになった私は、夢を叶えたいと思っていた。

その気持ちは、昔よりも強かった。


初めて会う芸能関係者に私は、夢中になりながら話をした。
< 186 / 216 >

この作品をシェア

pagetop