【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
体を何度も何度も洗い…

でも、何度洗っても汚れている気がして
皮膚が赤く腫れあがるまで洗いつづけた。


シャワーを出て
ベットに横になり体を小さく丸めた。


「本当にこれで、
よかったんだよね?いいんだよね?」


自分の心の中で、
迷いながらも、夢をあきらめることができなかった。


「泣いたらだめ!
今泣いたら、負ける!」


泣きたい気持ちを必死におさえた。


その時の私には、肉体関係をもつことは、一つの手段だと思っていた。


体を犠牲にしてでも芸能界に入りたかった。


それから、お金とひきかえに抱かれるたびに、私の体は、自然となれていった。

いつからか、どこかで、体と心の割り切りができるようになっていた。


でも、そんな自分を冷静に考えるだけで、怖かった。
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