【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
帰って行く大西達を黙って見ていることしかできなかった。

しばらくしてから、立ちあがり左頬を両手でおさえ足をひきずりながら家に向かった。


逃げることのできない苦しさ…。

抵抗できない悔しさ…。

心も体もぼろぼろだった。

心が、今にもおれそうだった。


「もう嫌だ…
こんな毎日なんて、もう、たくさん…」

家の前に着くと
いつものように汚れた服を手ではらい、
ボサボサだった髪の毛をなおし、

無理矢理、笑顔をつくりドアを開けた。

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