【実話】ただ、普通の幸せがほしかった
「ねぇ、佐々木さんって、かわいそうだよね、みんなに言われてさ」


「でも、正直言ってさ、可愛くないし、仕方ないよ。
それに、私は、もし生まれ変わっても、佐々木さんの顔には、なりたくない」


「私も、嫌だな。
何かブスより醜い感じ、絶対、嫌なんだけど、生きていけない」


「ねぇ、それ言いすぎじゃない?
でも、あの顔じゃねぇ~無理だね」

すごく、悔しくて、辛くて…

自分が、初めて惨めだと思った。


女子トイレにいき、鏡に映る自分の顔を見て、自分の心に問いかけた。


「私の顔って、そんなにおかしい?

ねぇ、醜い?
教えてよ…

顔が醜いからこんな毎日なの…

この顔じゃなかったら、こんな思いしなかったかな?

顔を選ぶことが、
できたらよかったのに…」


胸が痛いほど、苦しかった。

悲しくて、涙をおさえることができなかった。


鏡に映る泣き顔さえも醜く見えた。


「嫌だ、もう…嫌だこんな顔!!」


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