黒衣の牙狼
「火我がやられたらしいな・・・」

薄暗い部屋

小さな窓から差し込む光り

そのかすかな光りだけが、室内の陰影を照らし出していた


― 五人の男たちが、ソファに向かい合う様に座っていた

「いくら竜崎でも、今度の幹部会では意見を通す訳にはいかないだろう」

「だから言ったんだ。生ぬるいヤリ方ではなく、徹底しろと」

次々に意見が飛び交う

1人の男が立ち上がった
「こうなった以上、次の幹部会を待つまでもないだろう?」
窓際に歩み寄る
「今のユーシンは賞金首みたいなものだ」
光りが、男の長方形のメガネを照らし出した
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